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あけぼの・経営ニュース

vol.365 在庫を減らす

 今年は天候が不順で、野菜が高いというニュースが流れています。今日も京都の方で大雨になるかも知れない、という予報もあり、早く安定した天気になることを祈るばかりですね。

 さて、今回は「在庫」について考えてみます。

 経営者にとって、在庫は「寝ているお金の塊まり」なのですが、一般社員の方にとってはどうでしょうか?おそらく在庫は多いほうが業務をやりやすいとの感覚があるのではないかと思います。

 営業職であれば、細かな発注の手間がなく、すぐに納品可能である、小売業なら店頭在庫にボリュームがあると売上増につなげやすい、製造業であれば原材料が多ければ受注後すぐに生産に着手できる、仕掛品が多ければ納期短縮に役立つなど、豊富な在庫は現場で働く社員にとって良いことのように捉えられがちです。

 しかし、経営者にとっては、在庫は手元現金で購入した「お金」であり、製品化してお客様に販売し、売上入金があるまでは、お金が「モノ」に化けている状態のままで、会社の資金繰り悪化の要因です。しかも買い過ぎた、或いは作り過ぎた在庫が販売されることなく倉庫に眠っていて、最終的には処分せざるを得ない状況になったりすると、文字通り「お金をドブに捨てた」ということになります。在庫を減らすには、こういった経営のリスクを社員さんに繰り返し教えていく必要があります。

 在庫は、大きく3つに定義づけすることができます。

  1. 定番在庫
  2. 戦略在庫
  3. 不良在庫

 定番在庫は、あるレベルまで常に保有している「在庫」のことです。この在庫に関しては、できるだけ少なく、最大限回転率を上げることが求められます。

 戦略在庫は、取引先との関係で強化せざるを得ないものや、お客様の都合で、ある一定の期間、ある一定量を保有しなければならないものです。この戦略在庫は、「全て売り切る」ことを前提としていますので、常に販売計画と在庫状況の確認をすることが必要です。また、戦略在庫は、売れ筋商品として「定番化」できるどうかの見極めも必要です。この2つに該当しない在庫が「不良在庫」となります。仕入担当者や営業担当者は「不良在庫」と認めたくないのですが、「いつかは売れる」という在庫は、いつまでたっても売れないまま保管され続けることが多いのです。在庫管理をする人件費や、スペースの無駄、金利負担を考えれば、早めの対処が必要と思われます。

2014年9月5日号(365号)

 文中、1. 2. 3. の部分の原文は、それぞれ○付きの数字です。

 このページは、佐藤典哉税理士事務所・株式会社あけぼの会計様が発行されている『あけぼの・経営ニュース』をちくナビ!でも読めるようにしたものです。掲載上、一部元原稿とはレイアウト等に違いがあることをご了承ください。

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