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あけぼの・経営ニュース

vol.352 今年3月末日でゴルフ会員権の損益通算が終了します

 ソチオリンピックも終盤にかかってまいりました。

 ただ、毎日テレビで流される「感動の押し売り」だけは勘弁してほしいですね。

 選手たちの今までの努力が見事な結果を生むシーンは素晴らしいですが、勝者にばかり光を当てずに、敗者にこそより多くの拍手を与えてほしいと思います。ヘミングウェイの小説に「勝者には何もやるな」というものがありますが、勝者は「勝った」というそれだけで大きな名誉を与えられます。私たちはむしろ「敗者」にこそ温かい拍手を送りましょう。

 さて、今回は所得税のゴルフ会員権の損益通算終了について書かせていただきます。

 ゴルフが趣味でゴルフ会員権をお持ちの方も、バブル期にゴルフ会員権を買い、その後の景気低迷で塩漬け状態になっている方も、一考の余地ありです。

 今年の税制改正で、次の取り扱いが決まっています。

 「譲渡損失の他の所得との損益通算及び雑損控除を適用することができない生活に通常必要でない資産の範囲に、主として趣味、娯楽、保養又は鑑賞の目的で所有する不動産以外の資産(ゴルフ会員権等)を加える。」

 そして、「上記の改正は、平成26年4月1日以後に行う資産の譲渡等について適用する」とも書かれています。

 損益通算とは、個人の所得税の計算において、たとえば不動産所得の赤字を給与所得の黒字から引けるというような、いわば赤字を他の黒字から控除できる制度です。

 したがって、ゴルフ会員権の譲渡によって損失が出ても他の所得から控除できたので、その分トータルで支払う税金が安くなる仕組みでした。

 条文にある「生活に通常必要でない資産」とは、競走馬、別荘、1個または1組30万円超の貴金属、レジャー用の自動車などを言い、今までゴルフ会員権は含まれておりませんでしたが、今回の改正で、ゴルフ会員権がこの「生活に通常必要でない資産」に含まれることにより、仮に赤字が出ても他の黒字からは控除できなくなるわけです。

 今年の4月1日からの改正ですから、3月いっぱいまでは今まで通り損益通算できます。いつやるか?今でしょ、という感じですかね。

 逆にゴルフが趣味でかねがねゴルフ会員権を持ちたいと思っていた方は、3月末にかけて市場に会員権が安く出回る可能性も高いので、安値購入のチャンスかも知れません。

 手続きを慎重にやる必要もありますが、いったん売却して損益通算し、再度購入するという手もありますが、ネックは名義変更料です。名義変更料以上の節税にならないと意味がありません。

2014年2月20日号(352号)

 このページは、佐藤典哉税理士事務所・株式会社あけぼの会計様が発行されている『あけぼの・経営ニュース』をちくナビ!でも読めるようにしたものです。掲載上、一部元原稿とはレイアウト等に違いがあることをご了承ください。

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