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あけぼの・経営ニュース

vol.355 所得税の申告不要制度と扶養控除と住民税

 ここ、茨城県筑西市でも桜が満開となりました。桜の花の下で入学式や入社式ができると、ホントにいい思い出になるでしょうね。今年は消費税の増税もありましたから、尚更、印象深い新年度かもしれません。

 さて、個人の確定申告も終わり、我々会計事務所もやっと一息ついている昨今です。最近のニュースでは、配偶者控除の廃止など、新しい動きも出てきています。また、子供手当の関係で、扶養控除も現在は16歳以上が条件となり、わかりづらい制度となっています。

 ここで質問です。

 妻の給与収入が103万円、雑所得が10万円あった場合、妻は確定申告をしなければならないのでしょうか?また、配偶者控除を受けられるのでしょうか?

  1. 所得税の取り扱い
     妻の申告義務について、所得税では、給与所得以外の所得が20万円以下(雑所得10万円)の場合、所得税の確定申告義務はありません。
     ただし、配偶者控除や扶養控除の対象となるかどうかの判定には、この20万円以下の所得も含めたうえで計算します。
    1. 確定申告の是非
      給与収入が103万円以下なので、必要ありません。従って所得税は0円です。
    2. 配偶者控除の可否
      妻は、給与所得38万円(=給与収入103万円-給与所得控除65万円)+雑所得10万円=48万円>38万円 となり、38万円を超えますので、配偶者控除の適用は受けられません。これは子などの扶養控除の場合も同じです。(妻の配偶者特別控除の適用はあります)。
     つまり、妻は申告しなくてもいいのですが、だからと言って夫の扶養(配偶者控除の対象者)になれるわけではないのです。
  2. 住民税の取り扱い
     さらにややこしいことに、住民税には、給与所得以外の所得が20万円以下の場合の「申告不要」という制度がありません。ということは、この妻は住民税の申告義務はある(住民税の確定申告をしなければならない)ということになります。

 結論としては、この妻は、所得税の確定申告はいらないので所得税は0円、でも住民税は申告した上で課税となり、一方、扶養については、所得税も住民税も対象にはならない、ということです。ややこしいでね。

2014年4月5日号(355号)

 文中、a、b の部分の原文は、(1)、(2) です。

 このページは、佐藤典哉税理士事務所・株式会社あけぼの会計様が発行されている『あけぼの・経営ニュース』をちくナビ!でも読めるようにしたものです。掲載上、一部元原稿とはレイアウト等に違いがあることをご了承ください。

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