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あけぼの・経営ニュース

vol.386 特別養護老人ホームの入居前の相続発生

 毎日暑いですね。すでにご案内の通り、私どもの事務所も来週12日には移転しますので、暑い中、荷造りや不用品の処分を進めています。熱中症にならないよう気をつけなければなりません。

 さて、相続税の計算では、お亡くなりになった被相続人が誰と住んでいたかによって小規模宅地の減額ができなくなるケースがあります。最近は特別養護老人ホームへの入所を希望しながらも、入居待ちの人数が多くなかなか入居できず、体力低下や認知症の進行によってご自宅を出てお子様の家庭に身を寄せているうちに亡くなってしまうケースが少なくありませんが、このようなケースも適用できない可能性があります。

 平成25年度の税制改正において、相続開始の直前(亡くなる直前)に被相続人等の居住の用以外の宅地等であっても、[1]被相続人が亡くなる直前に要介護認定等を受けていたこと、及び[2]被相続人が養護老人ホーム等に入居又は入所していたという要件を満たせば、その被相続人の居住の用に供されなくなる直前のその被相続人の居住の用に供されていた宅地等(ややこしい言い方ですね。要は老人ホームに入る前の家の敷地です)については、被相続人等の居住の用に供されていた宅地等(特定居住用宅地等)に当たる(つまり、要介護認定又は要支援認定を受けていた被相続人が、老人ホームに入所したことによって空き家となっていた自宅の敷地についても小規模宅地等の特例の対象とされる)こととされました。

 しかし、仮に特別養護老人ホームへの入所を申し込んでいた事実はあっても、その時点では入所時期が不確定であり、かつ、子供の持ち家に転居した事由も被相続人自身の高齢と、体調不良による日常生活の介護や支援を受ける目的である場合には、生活の本拠を自宅から子供(親族)の居住地に移転したものであり、短期間に緊急避難的に親族の居宅に一時的に居住していた、という事態には該当しないものと思われます。

 そうしますと、老人ホームへの入所直前に被相続人が居住していた宅地等が対象とされる小規模宅地の減額の適用要件を満たしていない、と判定されますので、「小規模宅地等の特例」の対象とすることはできない、ということになります。

 年老いた親が従前の生活維持が困難なため子供世代が引き取って面倒をみると、相続税の減額要件を満たさない(異なる条件で該当するケースもあります)というのは、何か釈然としない感じがします。

2015年8月5日号(386号)

   文中、[1] [2] の部分の原文は、それぞれ○付きの数字です。

 このページは、佐藤典哉税理士事務所・株式会社あけぼの会計様が発行されている『あけぼの・経営ニュース』をちくナビ!でも読めるようにしたものです。掲載上、一部元原稿とはレイアウト等に違いがあることをご了承ください。