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あけぼの・経営ニュース

vol.343 国外財産調書

 今年は台風の当たり年ですね。

 十五夜の時には久々に晴れ渡り、見事な満月を楽しむことができましたが、ここ何日かは蒸し暑い、夏のような日に逆戻りです。体調管理に気をつけましょう。

 さて、今回は「国外財産調書」について書かせていただきます。

 平成25年12月31日現在の国外財産が5千万円超の居住者(非永住者を除く)は、翌年、すなわち来年の3月15日までに国外財産調書を提出しなければならなくなりました。

 ここで、非永住者とは、日本国籍がなく、かつ過去10年以内において国内に住所または居所を有していた期間が5年以下の人を言います。という事は、日本国籍がある人は世界のどこに住んでいようとも提出の義務がありますし、仮に日本国籍を「捨て」ても、5年以上国外に居住していなければ提出義務があるわけです。

 この国外財産の金額は、その年12月31日現在の時価、または時価に準じる見積もり価額で計算し、日本円での換算は、同日の外国為替の売買相場による、とされております。そして、その記載事項は、以下のとおりです。
 1.区分 2.種類 3.用途 4.所在 5.数量 6.価額 7.備考

 所得が一定額より多い方は、確定申告の際「財産及び債務の明細書」というものを税務署に提出しなければなりませんが、この明細書とは別に国外財産調書を提出しなければなりません。その理由はもちろん、最近雑誌やマスコミでも取り上げられることの増えた「資産フライト」、すなわち海外への資金移動や不動産購入によって脱税する人が増えてきたためです。

 日本は各国と租税条約を結んでおり、これはお互いの税務情報をやり取りすることで、双方の国の脱税を防止するものですが、いわゆるタックスヘイブン諸国とも結んでいますので、税務当局はここで網をかけたいということでしょう。

 ところで、この国外財産調書を提出すれば、例えばうっかりミスの申告漏れがあった場合、過少申告加算税が5%減額になります。一方、逆に調書未提出の場合は過少申告加算税が5%加算されます。さらに故意の未提出に対しては、1年以下の懲役または50万円以下の罰金というペナルティが課されますので、きちんと調書を提出したほうがいいですね。

 ちなみに海外不動産を使った合法的な節税策もありますので、必要な節税スキームを実施した上で、申告を適正に済ませることが一番良いと思います。

2013年10月5日号(343号)

 このページは、佐藤会計事務所(所長・税理士 佐藤 典哉)様が発行されている『あけぼの・経営ニュース』をちくナビ!でも読めるようにしたものです。掲載上、一部元原稿とはレイアウト等に違いがあることをご了承ください。

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