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佐藤会計タックスニュース

vol.330 相続税は税理士の腕の見せ所

 配信が大変遅れ、申し訳ございませんでした。

 さて、アベノミクス効果で株価が上がり、円安基調が続いています。輸出競争力は格段にアップしているようですが、ガソリン、灯油などの輸入品が高騰してきています。消費税の増税も控えていることから、不動産の売れ行きも上がっているようですが、今後の景気全体は良くなっていくのでしょうか?

 さて、相続税の増税がほぼ決まったことから、雑誌や新聞で相続特集が組まれることが多くなりました。今回は、「相続税は税理士の腕の見せ所」と題して、特に相続税における土地の評価方法について書かせていただきます。

 土地の評価方法は大きく分けると路線価で計算するものと、倍率で計算するものがあります。後者は固定資産評価額に、地域によって定められた倍率を乗じて計算するもので、主に農地や山林などが対象となります。

 一方、路線価で評価する対象は、宅地など都市部や町中にある土地です。

 路線価とは、道路そのものに値段がついていて、その評価方法とは、その値段に道路に接している土地の面積をかけて評価額を計算するものです。実際にはその計算した金額だけですと評価額が高すぎるので、例えば敷地形状が正方形ではないとか、高圧線や水路や道路幅の不足があるとかの、いわばマイナス部分を探して評価額の減額をすることで納税額を減らしていきます。

 ところで土地はその上に建物が建つからこそ価値があり、建物を建てて他人に貸した場合の収益性がどの程度あるかで、現実の売買金額が左右されます。

 路線価がついている道路沿いの土地には家が建てられるケースが多いのですが、実際には都市計画法と建築基準法によって土地の使い方と建物の建て方が決められています。路線価が間違っていて、家の立たない区域に路線価が付いていることもありますので、その際はその路線価を使って土地の評価額を計算してはいけない(本当の評価はもっと低い)ということになります。

 この土地に関する法律は、道路法、土地区画整理法、文化財保護法、土壌汚染対策法、河川法、海岸法やさらに地方公共団体が定めた独特の条例もありますので、相続税を算出するために土地の「価値」を金銭評価する場合には、私の事務所ではすべての役所を回り、その評価する土地の利用制限がないかを調べます。要は「アラ」を探すわけです。また、必ず現地に行き、公図や図面ではわからない高低差や、近隣の環境(たとえばお墓があると減額できます)を調べ、写真に収め、減額した理由や過去の判例と合わせて相続税の申告書に添付します。減額の正当性を税務署に訴えるわけですね。

2013年2月20日号(330号)

 このページは、佐藤会計事務所(所長・税理士 佐藤 典哉)様が発行されている『佐藤会計・タックスニュース』をちくナビ!でも読めるようにしたものです。掲載上、一部元原稿とはレイアウト等に違いがあることをご了承ください。

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