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佐藤会計タックスニュース

vol.307 資金別貸借対照表は重要

 こんにちは。

 ずいぶん日が長くなってまいりました。ちょっと前までは暗い中起床していましたが、最近は夜明けも早くなり、すっかり明るくなりました。まだまだ寒い日もあるかとは存じますが、日差しにも柔らかさが感じられ、春の到来を予感させます。早く桜を見たいものですね。

 さて、今回は資金別貸借対照表について書かせていただきます。

 この表は今ある現預金が創業以来どのように作られてきたかを表し、しかもこれから、この現預金がどのように増えたり減ったりするかを知ることができる、大変優れた分析表です。残念ながら、解説を受けながらご覧になれば「目からうろこ」の効果があるのですが、解説がないと表の意味を読み取りにくいということで、全く普及しておりません。当事務所では中心的な経営資料として提供させていただいておりますので、ご興味があればサンプルを差し上げます。その際は事務所宛てご連絡いただければと存じます。

 企業は「利益を出すだけでなく、何よりも現預金を増やすこと」によって次の投資が可能になりますので、発展のためにはまず手元で自由に使える現預金を増やすことが大切です。刻々変わる経済環境の中で迅速に手を打つには、銀行融資による金利という縛りがない手元資金を豊富に持っておくことは重要です。この資金別貸借対照表で自社の数値を見ると、どのようにお金を稼ぎ、使ったら良いのかが一目瞭然でわかります。内容は貸借対照表と損益計算書を並べ替え、以下の4つの区分に分けたものです。

  1. 損益資金 今までの利益から法人税等を除いたお金です。
  2. 固定資金=「長期借入金+資本金等」-「固定資産や棚卸資産等」です。通常はマイナスです。プラスが大きいと長期借入金の使途が間違っており、のちに返済負担のみが残ることになります。
  3. 売上仕入資金=買掛債務(払っていないお金)-売掛債権(もらっていないお金)です。やはり通常はマイナスです。売上急拡大時にはマイナス幅が大きくなり、いわゆる黒字倒産の原因になりますので、毎月注意深くチェックしなければなりません。
  4. 流動資金 「短期借入金+割引手形等」-「短期貸付金等」です。目先の繰り回し資金です。なるべく小さくしないと、銀行さんから手形の書き換えを断られたらアウトです。
    *利益があっても「お金」がなければ倒産です。お金を残す経営を実現しましょう。

2012年2月20日号(307号)

 このページは、佐藤会計事務所(所長・税理士 佐藤 典哉)様が発行されている『佐藤会計・タックスニュース』をちくナビ!でも読めるようにしたものです。掲載上、一部元原稿とはレイアウト等に違いがあることをご了承ください。

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