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佐藤会計タックスニュース

vol.275 中小企業金融円滑化法と経営改善計画

 こんにちは。

 今日は寒いですね。昨日が暖かかったせいかなおさら寒さを感じます。風邪をひかないよう気をつけましょう。

 さて、「平成21事務年度法人税等申告(課税)事績の概要」によりますと、黒字申告をした法人の割合は25.5%と前年比3.6%の減少で過去最低となりました。平成22年においても同様の数値が予想され、約75%の企業が赤字決算を余儀なくされる厳しい現状です。資金繰りにおいても当然苦しい状況であり、先日の新聞記事によれば「中小企業金融円滑化法」による融資返済条件の変更申込は、9月末で常陽銀行で11,878件、筑波銀行で7,928件あり、そのうち実際に条件変更に応じたのは常陽銀行が10,323件、筑波銀行が7,083件あったそうです。申込の大部分が実行されておりますが、実行されなかったケースでは「審査中」とか、企業側からの「取り下げ」とかがあり、これは全国の統計でも同じ状況です。

 この「中小企業金融円滑化法」(以下、金融円滑化法)は、資金繰りに窮する中小企業者に対して、金融機関にできる限り返済条件の変更等に努めることを定めた法律で、[1]金融機関に対して「努力義務」を課し、また[2]金融機関は「実施状況を当局へ報告」しなければなりません(その結果が新聞に発表されたわけですね)。

 本来ならば、返済条件の変更を受けるに当たり、経営改善計画(経営計画の中でも、企業の現在あるいは今後抱える売上減少や資金繰り悪化等の原因を把握し、その改善策を示したもの)を策定する必要があるのですが、現状では「経営改善計画」がなくても、最長1年以内に「経営改善計画」を作成すればよいとされました。またその際には、いわゆる「絵に描いた餅」の計画では駄目で、実現可能性の高い抜本的な内容でなくてはならないともされました。

 ところで企業側として気になるのは「貸付条件の変更等」を受けた場合、金融機関から新規融資を断られるのではないか、という危惧ですが、個別の融資は各金融機関が借り手の信用力等を踏まえて判断しますが、貸付条件の変更等の履歴があることのみで新規融資を拒絶することがないよう、金融庁も金融機関に対する検査・監督で検証するとのことです。

 経営改善計画の作成については、顧問の会計事務所に相談されることをお薦めします。なお来る12月3日(金)午後4時から当事務所主催のセミナーでこの円滑化法と経営改善計画についてご説明します。異業種交流忘年会(堅苦しいものであはありません。念のため)も開催しますので、是非ご参加ください。

2010年11月20日号(275号)

 文中、[1] [2] の部分の原文は、それぞれ○付きの数字です。

 このページは、佐藤会計事務所(所長・税理士 佐藤 典哉)様が発行されている『佐藤会計・タックスニュース』をちくナビ!でも読めるようにしたものです。掲載上、一部元原稿とはレイアウト等に違いがあることをご了承ください。

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